世界初 オゾンで新型コロナ感染力低下を確認 県立医大の研究グループが発表

 

 高い殺菌能力を持つオゾンに、新型コロナウイルスの感染力を低下させる効果があることを実験によって確認したと、 県立医大の研究グループが発表しました。

 これは県立医科大学と、民間企業などの 共同研究グループが明らかにしたものです。オゾンは空気中に存在し、大気を浄化させる働きをしていますが、強い酸化力があることから、救急隊などでは除菌のために補助的に用いられています。今回、研究グループでは、 こうしたオゾンの殺菌能力が 新型コロナウイルスに対しても有効かを 確かめる実験を行いました。 実験では密閉容器内で培養した新型コロナウイルスを オゾンにさらしてから細胞に移し、感染力を維持したウイルスが どの程度残るかを調べました。オゾンの濃度とさらす時間を厚生労働省で運用されている基準に設定した上で実験したところ、感染力のあるウイルスの量が 最大で1万分の1にまで 減少したということです。

 県立医科大学医学部の矢野寿一教授(微生物感染症学)は、「今回は実験室での一定条件下での結果でありますし、ウイルス自体もすごく精製して、ウイルスそのものしかない状況で検討しておりますが、実際の現場では環境が実験室と違ってきますので、それはこれからさらに検証していかなきゃいけないと思っております」と話しています。

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