【New Shop】こだわり素材でつくる自家製魯肉飯ランチのお店【385(みやこ)】

こだわり素材でつくる自家製魯肉飯ランチのお店【385(みやこ)/奈良市】

甘辛く煮込んだ豚肉を白いご飯にのせた「魯肉飯(ルーローハン)」。この人気台湾グルメを食せるお店が、奈良県のならやま大通り沿いに2021年10月6日オープンした。こだわりの食材と調味料で仕上げた日本人好みの味わいは箸が進むと評判。

雑貨店「RINFA」も併設されている。
「RINFA」では額装家の店主がフランス額装のレッスン、オーダーも行っている。

食と雑貨のコラボ店

数字で385と書いて「みやこ」と読む飲食部門

雑貨部門「RINFA」

「385」の看板と同じパッと目を惹く水色で縁取られたガラス張りの店構え。ふんだんに光を取り込む扉を開けば、ギャラリーという言葉が似合う心地よい空間が広がる。

作家ものの器やキャンドルなど、こだわりのある品々が店内を彩る。

その奥に設けられているのが、魯肉飯ランチのお店「385」だ。

ゆったり座れるカウンター4席。

ベンチと椅子2脚のテーブル席。

重みを感じて、目で見て厳選。こだわりの素材選び

「385」のこだわりは、徹底した素材選びにある。食材から調味料に至るまで、店主自ら足を運び買い付けしている。店の運営から仕入れ、仕込みに至るまでを店主一人で行い、配送も利用していないというからその情熱は生半可ではない。

「注文したら持ってきてくださる配送は楽なんですけど、どんな物が来るのかわからないじゃないですか。私は手にとって重みを感じて、目で見て買いたいんです。……と言いつつも店の営業も私一人で行っているので、店の定休日にあちこち周って買ったりとか、仕事が早めに終わった時に仕入れに出掛けたりしてますね」。

素材にこだわるのには、理由があった。

「30代で病気をしたんです。お薬も大事ですけど、やっぱり食事って健康と切り離せませんよね。食生活を見直した時に、“粗食っていいな”と実感しました。“手の込んだ料理”をあえて手放して素材と調味料に良い物を使えば、“あ。こんなに美味しいんだな”とわかったんです。身をもって体験したことを活かしたいし、せっかく食べるのならいいものを美味しく食べて欲しいなって。そんな気持ちがあります」。

「385」魯肉飯ランチ 税込1,800円。魯肉飯・点心に日替わり小鉢と汁物が付く

素材選びにおいて「385」が持つもう一つの観点が、産地だ。

「奈良県産にこだわっています。私自身が奈良育ちなんです。奈良のお肉とお野菜って美味しいなと感じていますし、ちょっとでも奈良をアピールできたらいいなと」。

「385」の魯肉飯ランチの主役でもある魯肉飯と点心に奈良県の特産品・やまとポークが使われている。この仕入れも前述の通り店主自らやまとポーク専門店に赴いている。

箸休めとメインの味わいのバランスでペロリと食べられてしまう。店主が買い集めたという器も食卓を盛り上げる。

「色々食べてみて、やまとポークを専門に扱っているそのお店のお肉が一番美味しかったんです。魯肉飯にはバラの部分を使っているので脂身もありますが、お肉を残した方はオープンしたこの二ヶ月の間にはいらっしゃらいませんね。見た目ほど油っぽくないし、意外とあっさりしているねって感想を持たれる方が多いみたいです。やまとポークの油抜きは徹底して行っています」。

魯肉飯の味付けに使っているのは、台湾醤油と企業秘密の調味料。いずれも本場・台湾の物を仕入れているのだそう。

身体が喜ぶ豊富な品数。全てを一から手づくりで

「385」のこだわりは実は素材選びに止まらない。「全て一から手づくりしています」という店主の言葉通り、品数豊富な小鉢から点心に至るまで自家製を提供している。

この日小鉢の一つに据えられたのは、ル・クルーゼで炊いた豆。メインを引き立たせる優しい味わいだ。

「時間も手間暇もとてもかかります。“メニューを増やして”ってお客様から言われるんですが、なかなか手が回らなくて……でも頑張っています!」

そう笑顔を浮かべる店主は、ふと「自家製で包んだ点心を食べられるお店ってそう多くはないんじゃないかなぁ」とこぼす。実は店主は、幼少時代を魯肉飯の本場・台湾で過ごした。

やまとポークのシウマイと小籠包。一つ一つ包み蒸し上げた自家製だ。

「父の仕事の関係で、日本と行ったり来たりではありますが10年程台湾で暮らしました。帰国したのは小学2年の頃なので、子どもの成長期の舌は台湾の料理を食べて育ったということになります。年月が経っても舌は覚えているんです。だから中華料理が好きなのかもしれません」。

そんな彼女の味覚とこだわりを満たすには、全てを手づくりする工程は外せなかった。「385」で提供されるのは、本場のルーツに裏打ちされながら日本人の舌に合うように作られたオリジナルの味わいだ。

魯肉飯ランチにはカラリと揚がった春巻きも添えられる。調理器具も店主のお気に入りをそろえた。

「台湾の料理でよく使われる八角は、日本人の間では好みが分かれる香辛料です。お客様からも“八角って入ってんの?あれ嫌やねん”と尋ねられることは多いですね。味付けを日本人向けにする為にうちは最初から入れていません。ある日、魯肉飯が好きで台湾で食べ歩いたというお客様が来店されたことがあったんです。それはもう大変緊張したのですが、“本場で食べたどの魯肉飯よりも美味しかった”と言っていただけてすごく嬉しかったですね」。

リピーターも着々と増えている「385」は、客からのリクエストに応え新メニューを計画中だ。

「2022年からは、麺のメニューを追加する予定です。台湾麺をベースに、日本人の舌に合う味わいを研究開発しています。ぜひ楽しみにお待ちください」。

新メニュー開始のお知らせは、「385」のInstagramをチェック。予約、問い合わせも受け付けている。

併設店【RINFA】

住所:奈良県奈良市西登美ヶ丘1-4-1
営業時間:11:30〜17:00
定休日:日・月・火曜日
駐車場:2台(併設店「385」と共有)
アクセス:ならやま大通り沿い

RINFA Webサイト

instagram @rinfa616

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